悪質クレームへの対応にお困りの企業様へ

クレームとは?

クレームとは,商品やサービスに対する苦情や改善要求,あるいは法律上の権利の請求を指す言葉とされています。

このため,内容に正当性のある通常の意見や改善要求に対しては,商品やサービスの向上により,企業を発展させることにもつながりますので,真摯な姿勢で,顧客に対して,解決策を提示していくことが必要となります。

これに対して,要求内容や著しく過大であったり,その態様が,著しく不相当であったりする場合を,悪質クレームといいます。近年では,カスタマーハラスメントという言葉で社会問題となっており,それに応じた対応が必要となります。

 

このように,通常のクレームと悪質クレームとは,分けて考える必要があります。

ですが,初動の段階では,通常のクレームなのか,悪質クレームなのかの区別がつかない場合もありますし,正当なクレームであったものも,対応を誤ったことによって,内容がエスカレートしたり,問題をこじらせてしまう場合もあります。

このため,はじめから悪質クレームだと決めつけてはならないことはもちろんであり,まずは真摯な対応が求められます。

 

クレーム対応の流れ

クレームの連絡を受けたら,通常のクレームなのか,悪質クレームなのかはその時点では分かりませんので,まずは,事実関係の確認をしましょう。

クレームの連絡を入れた顧客の氏名,住所,連絡先等の正確な情報を得た上で,その言い分を正確に把握しましょう。その際,明確な情報を得るために,不足する情報があるのであれば,追加で質問をするなどして,できる限り正確な情報を得られるよう努力が必要です。

この過程で,顧客の側に勘違いがあることが判明する場合などもあり,それによって解決する場合もあるでしょう。

また,顧客の言い分が正確に把握できたら,そのような事実があるのかどうなのかを確認する必要があります。社内での関係者からの聴き取り,記録の確認等を行い,顧客の言い分の根拠となる事実があるかどうかを確認します。

その上で,これが事実であり,顧客の言い分が正しいという場合には,正当な要求であると判断し,顧客に謝罪を行った上で,解決策を提示しましょう。

 

これに対し,対応しているうちに,悪質クレームではないかとの疑念が生じた場合には,クレームの対応内容を,録音や録画,担当者による対応記録等の証拠に残すことも大切です。また,特に悪質性が高いクレーマーに対しては,1人での対応ではなく,複数人で担当するするようにしましょう。

 

クレーマーの要求内容と,企業の側で調査した客観的事実関係がともに明らかになったら,対応方針を決定しましょう。

 

また,対応方針が決まる前の段階でも,顧客の感情をより害することのないように,謝罪を行うことも大切ですが,そもそも,事実関係を把握していない段階で,ミスなどに対する謝罪をすることは,こちらの非を認めた様になってしまうので,逆効果となることもあります。このため,事実関係の把握や対応方針が決定されるまでは,あくまでも,顧客に対して,不快感を抱かせてしまったこと,感情を害したことに対して謝罪するに留めるようにしましょう。

 

弁護士が介入する場合の流れ・メリット

悪質クレームではないかとの疑念が生じた場合,その段階で,弁護士にご相談いただければ,その時点での,悪質クレームと判断するのに必要な情報が揃っているのか,客観的事実関係の把握が十分なのか,対応方針決定のために,どのような情報が不足しているのか,等を客観的に判断することが可能となり,適切な対応方針を立て,状況の悪化を避けることが出来ます。

このため,悪質クレームではないかとの疑念が生じた段階でのご相談をおすすめします。ただし,この段階では,まだ悪質クレームと確定したわけではなく,弁護士が表に出て行くと,かえって問題が複雑化することがあります。

このため,この段階では,原則として,弁護士と方針について入念に打ち合わせを行った上で,企業様の方で,対応を行っていくことになります。

事実調査等の対応を行っている中で,悪質クレームであることが明確になり,当該顧客の要求内容を明確に拒絶する段階になれば,対応窓口を弁護士に変更することで,組織としてのカスタマーハラスメント対応に切り替えましょう。

この点,企業の担当者が,悪質クレーマーへ対応しようとすれば,どうしても,お客様としての対応を行ってしまうものであり,クレーマーの意向に沿って,クレーマーが納得するルールで解決しようという方向に流されてしまいがちです。

ですが,要求内容が度を超えていたり,要求方法が著しく不相当であるからこそ,悪質クレームと評価されているのですから,クレーム客の納得を目指すことは元々不可能な話です。このため,このような段階に至った後は,要求内容に法的な根拠があるかどうかという観点に切り替え,毅然と対応することが大切になるのです。

これに対して,悪質クレームへの対応を担当者個人が抱え込んでいるといった企業様もおられるのではないでしょうか。

ですが,悪質クレームへの対応は,精神的な負担がとても大きいものであり,担当者個人での対応には限界がありますし,担当者の社内における本来的業務に支障を来してしまうこともあるでしょう。それだけでなく,クレーム対応を担当者個人に抱え込ませた結果,担当者が心身を病んでしまうようであれば,経営者は,担当者に対する安全配慮義務違反を問われることにもなりかねません。

このため,悪質クレームに対しては,組織として,きちんとした対応を行う事は必須となります。

 

弁護士が,悪質クレーマーに対して連絡を入れ,対応窓口が弁護士になった後は,弁護士が,法律に基づいた対応を行うことになります。

クレーマーに資料等を提出させた上で,その要求に根拠があるのか,法的観点からどの程度の対応を行わなければならないかを,企業様と打ち合わせのうえ,方針を決定し,その上で,クレーマーに対して対応策を提示します。

クレーマーがこちらの提示を受け入れる場合には,合意書を締結した上で,賠償金などを支払うなどして,クレーム対応は終了となります。

これに対し,法的に妥当な解決策を提示したにもかかわらず,クレーマーからの理解が得られない場合には,それ以上無理をすることなく,企業側としてこれ以上の対応は出来ないとして,交渉を打ち切ることも検討することになるでしょう。

クレーマーが,企業側の任意の対応によらずに自身の要求を通すためには,最終的には訴訟を行い,判決で自身の要求を認めてもらわなければなりません。企業が事前に正当な解決策を示していた場合,仮にクレーマーが裁判を行っても,その要求が不当であった場合には,そもそもその要求は認められないでしょうし,一部要求内容に正当性がある場合にも,企業側が事前に示していた妥当な解決策を超える内容とはならないはずです。

このため,実際には諦めるクレーマーが大半であると思われます。

このように,企業としては,適切な対応を行っていれば問題はないのであり,無理をしてクレーム客の納得を得ようとする必要はないのです。

 

悪質クレームにお悩みの企業様は当事務所にご相談ください。

以上のとおり,悪質クレームではないかと疑念が生じた段階で,弁護士へご相談いただけますと,情報不足などによる状況の悪化を避けることができ,また,入念な打ち合わせの下,落ち着いた対応を取ることが出来ます。

また,悪質クレームに対して,窓口を弁護士に切り替えたうえで,毅然と,法的対応を行うことで,担当者の精神的負担を減らし,本来的業務に専念することが可能となります。

このため,悪質クレームにお悩みの企業様につきましては,当事務所にご相談いただければと思います。

      法律相談のご予約はお電話で 平日:9:30~18:00 TEL:082-512-0565 法律相談のご予約はお電話で 平日:9:30~18:00 TEL:082-512-0565 ご相談の流れ