無断欠勤で連絡が取れない場合の対応方法と注意点

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従業員が無断欠勤を続けており、連絡が取れなくて困っている事業者もいるでしょう。事故や病気といったケースだけではなく、職場上のトラブルが引き金になっている可能性もあります。

この記事では、無断欠勤で連絡が取れない場合の対応方法と注意点を紹介します。会社を経営されている人は、法的対応を進めるうえで参考にしてください。

無断欠勤で連絡が取れない場合に考えられる理由

無断欠勤している従業員に連絡が取れないのは、さまざまな理由が想定されます。トラブルを早急に解決するためにも、考えられる理由をしっかりと押さえてください。

予期せぬ事故や緊急事態

まず考えられるのが、予期せぬ事故や緊急事態に巻き込まれているケースです。たとえば急病で立てなくなっていたり、交通事故によって大怪我を負っていたりする場合が考えられます。

また本人自身ではなく、その家族が事故や病気になっており、看病で連絡が取れていないのかもしれません。現時点で原因がわからないのであれば、はじめに従業員の安否を確認することが大切です。

精神的・身体的な不調

精神的あるいは身体的な不調により、従業員が会社に行けていないケースも考えられます。とくに注意しなければならないのが、うつ病を中心とする精神疾患です。

従業員の精神疾患は周囲も気づきにくく、繁忙期であれば無理をさせてしまう企業もあるでしょう。しかし症状が進行すれば、モチベーションの低下や無気力といった状態を招きかねません。

重症化した場合、ベッドから起き上がれなくなり、連絡が取れなくなることもあります。精神的・身体的な不調が原因と判明したら、まずは療養してもらうようにしましょう。

人間関係のトラブル

職場環境や人間関係のトラブルも、無断欠勤を起こしやすい要因の一つです。たとえば従業員が上司からパワハラを受けていた場合、出社することに恐怖を感じてしまうでしょう。ほかにも同僚と喧嘩をして、出社するのが気まずいと感じているケースも考えられます。

従業員が突然無断欠勤をしたときは、社内で何かトラブルはなかったかを確認しましょう。なるべく早めに原因を突き止めて、当該従業員と話し合える機会を作ることが大切です。

自己都合による退職の意思表示

従業員が会社に不満を感じており、自己都合による退職の意思表示として無断欠勤している場合もあります。このケースにおいては、会社の電話番号を着信拒否する人もいるでしょう。

とはいえ無断で会社を休み、法的手続きもせずに退職するのは無責任な行為です。現代では退職代行サービス会社によって、退職手続きする人も一定数いるものの、無断欠勤は会社にも多大な損害を与えかねません。仮に大きな損害が生じたのであれば、損害賠償請求も検討したほうが賢明です。

連絡手段のトラブル

無断欠勤している従業員と連絡が取れない理由には、連絡手段のトラブルも考えられます。たとえばスマートフォンをどこかに落としてしまい、手元にない場合です。家に固定電話がなければ、会社と連絡が取れなくなってしまいます。

また珍しいケースではあるものの、通信会社側で通信障害を起こしていることもあります。連絡が来ないときは、スマートフォンの通信状況に異常がないかも、併せてチェックしてみるとよいでしょう。

無断欠勤で連絡が取れない場合の初期対応

無断欠勤で連絡が取れないときは、従業員の安否について確認しなければなりません。今後の経営に悪影響をもたらさないためにも、初期対応に力を入れることが大切です。具体的にどう対応すればよいかを説明します。

状況の確認と記録

まず最初にすべきことは、従業員および社内の状況確認と記録のチェックです。従業員から直接話を聞かないと真相はわかりませんが、社内の状況から原因を推測できることもあります。今後の対応を進めていくうえで、必要となる手がかりを一通り探してみましょう。

また従業員の携帯番号だけではなく、固定番号やメールアドレス、緊急連絡先への連絡もすべて試してください。とくに緊急連絡先に連絡すれば、配偶者や父母につながる場合もあります。ひとまずは従業員が無事かどうかを、第一に確認しましょう。

就業規則の確認

一日のみならず、数日間にわたって無断欠勤しているのであれば就業規則の確認が必要です。場合によっては懲戒処分を下したり、解雇したりすることもあるでしょう。しかしこういった手続きは、就業規則に基づいてなされないといけません。

たとえば懲戒処分や自然解雇の事由として、14日以上連絡が取れないことを就業規則に掲げていたとします。このルールに従えば、懲戒処分および自然解雇が認められる可能性は高まります。就業規則に基づかないで処分をすると、相手から訴訟を提起される恐れもあるので注意してください。

自宅訪問の検討

電話で連絡が取れない状況においては、緊急性が高いケースがあることも念頭に置かないといけません。早急に従業員の安否確認をする必要があるときは、相手の自宅に訪問しましょう。

ただし一般的に自宅は、プライバシー性の高い空間の一つです。突然訪問したために、従業員とトラブルになる場合もないとは言い切れません。一人で訪問するのではなく、なるべく複数人で対応するのがおすすめです。

安否確認を最優先にしなければならないときは、警察への相談も検討してください。とはいえいきなり警察に相談するよりも、はじめは従業員の家族と連絡を取り合うのが望ましいでしょう。

無断欠勤で連絡が取れない場合の法的対応

無断欠勤で連絡が取れないときは、法的な対応が必要になります。具体的なプロセスを紹介するので、対応する際の参考にしてください。

連絡催促と安否確認の書面送付

いくら電話をかけても、相手が出れる状態でなければ安否の確認はできません。そこで連絡の催促や安否確認を書面ですることも検討してください。

書面を送付する際には、送達の記録が残る内容郵便証明を活用するのをおすすめします。万が一、訴訟問題に発展したとしても、記録を残しておけば有利に進められるためです。

書面には「◯月◯日までに連絡がない場合、就業規則に基づき懲戒処分(もしくは自然退職)となる可能性がある」と明記しましょう。併せて安否確認の目的で、当該書面を送付していることも記載してください。

懲戒処分の検討

就業規則に定められた期間を過ぎても連絡が来ず、正当な理由がないのであれば懲戒処分を検討しましょう。懲戒処分には、大きく分けて以下の種類があります。

種類内容
譴責(けんせき)始末書を提出させる
減給給与を減額する
出勤停止一定期間出社するのを禁じる
諭旨解雇自主的に退職届を出させる
懲戒解雇強制的に解雇処分を下す

どの処分を下すかは、無断欠勤の期間や回数、会社に与えた損害から総合的に判断します。とくに懲戒解雇は、懲戒処分のなかで最も重い処分です。懲戒解雇を下すには、客観的に見て合理的な理由に加え、社会通念上の相当性を必要とします。

自然退職扱いの検討

懲戒処分のほかにも、自然退職として扱うことも検討しましょう。その際には「◯日以上無断欠勤し、連絡が取れない場合は自然退職とする」といった、就業規則の規定が必要です。

就業規則に定めるだけではなく、自然退職を実施するときは、本人に対して通知したほうが望ましいでしょう。当該通知についても、内容証明郵便で送るのをおすすめします。

法的対応する際の注意点

無断欠勤した従業員に対し、懲戒処分や自然退職の措置をとる際には、注意しなければならないポイントがいくつかあります。ここで紹介する注意点をしっかりと押さえ、トラブルを未然に防げるようにしましょう。

給与の支払い

従業員が無断欠勤で迷惑をかけたとしても、基本的に給与を支払わないといけません。ただし労働法では、仕事をしていない期間は給与が発生しないというノーワーク・ノーペイの原則が採用されています。

そのため従業員が無断で休んでいた期間の分については、賃金を支払わなくても問題ありません。支給するときは、無断欠勤していた間の分を除きます。

なお退職金についてですが、こちらも就業規則によって減額が認められます。法律に退職金の扱いが定められているわけでもないため、就業規則を見直すとよいでしょう。ただし長く勤めていた従業員であれば、全額不支給とするのは難しいので注意してください。

社会保険・雇用保険の手続き

従業員が退職した場合、社会保険や雇用保険の資格喪失手続きも必要です。無断欠勤による自然退職は、就業規則や労働条件通知書に明記されていれば、原則として自己都合退職の扱いになります。

社会保険の資格喪失においては、「被保険者資格喪失届」の提出が必要です。ただし従業員が無断欠勤したまま退職すれば、「健康保険被保険者証」が返還されないことも考えられます。回収が難しいときは、「健康保険被保険者証回収不能届」も一緒に提出してください。

一方で雇用保険の資格喪失手続きは、事業所を管轄するハローワークにて行います。電子申請も認められているので、ハローワークに一度問い合わせてみるとよいでしょう。

法的トラブルのリスク

従業員が無断欠勤をしたからといって、不適切な対応をすると後々トラブルとなってしまう恐れがあります。しかし注意しなければならないポイントが多く、対応するのが難しいと感じている会社も少なからずあるでしょう。

迷っているのであれば、弁護士や社会保険労務士にどう対処すればよいか相談してみてください。とくに弁護士と相談しておくと、訴訟に発展した際にも手続きを代行してくれます。専門家に依頼するときは、実績や相性のよさを考慮して相談先を決めるのがおすすめです。

まとめ

普段の仕事で突然従業員が無断欠勤をすると、何が起こったか分からず焦ってしまうでしょう。まずは従業員の安否確認を優先的に進めつつ、就業規則や職場の状況を調べておく必要があります。

無断欠勤が続いている場合、就業規則に定めがあれば懲戒処分や自然退職として扱うことも可能です。とはいえ処分の下し方を誤ると、訴訟沙汰に発展するリスクも考えられます。対応方法に問題がないか、弁護士や社会保険労務士にもきちんと相談してください。

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代表弁護士 下川絵美

この記事の監修者

代表弁護士 下川絵美
私は,大学を卒業してから一般企業で勤務していた際,人の役に立てる仕事をしたいと突然思い立ち,司法試験を受け,弁護士登録以来ずっと広島で業務を行っています。
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